黎明の灯 鵬翼の迷走

序章

   その夜。珠晶は寝室で寝台に腰掛けて、慶国の王の事を考えていた。 泰麒捜索のときの発想、伏礼を廃するとか色々、景王の情報を耳にして(利広による) 興味が出た。蓬莱出身の胎果である事が、良い発想を生む秘訣になるのだろうか。 国を運営するのにあたりそれは重要なことの一つである、景王と親しくしてそういったこつを勉強するのも良いことだろう。
 ここまで考えて珠晶は、供麒を呼ぶ。
 「わたし、景王に親書を出すことにしたわ」
 「はあ。」
 供麒は、不安げな表情で珠晶の次の言葉を待つ。
 「大丈夫よ!あなたのことだから、祥瓊のことで何か言い出すのではないかと気をまわしているのでしょうけど。」
 珠晶は笑みを浮かべてから先ほどの考えを供麒に話した。
「申し訳ございません、いつも主上に言われているのに・・・。しかし、麒麟のサガもあるのでどうかご容赦を。でも主上!良い発想ですね。蓬莱出身の王の理論を勉強するとは、これで更に恭国も安泰です。」
 深々と頭を下げて供麒は部屋を退出した。
 珠晶は、立ち上がり窓際へ行き外を眺める。既に夜も更けている、雲海の下の灯りも少なくなる時刻である。
 「ふふふっ。これで、蓬莱の話を大っぴらに聞けるわ」
 その夜、珠晶の部屋では、ケケ!とかキャー!などの声が響き渡ったが防音措置が施されている為それを聞くは者は無かった。
 やがて親書のやり取りから、直接行き来するようになった二人の王。まあ、これが全ての・・・・・発端であった。

第一章

(1)

 最近私は王としての業務が終わり、私事を済ました後の時間を就寝までの時間を祥瓊と鈴の三人で居間で、だべって過ごすのが日課になっている。
 蓬莱での自分の家と比べればあまりにも広い金波宮。王としてやっていこうと、その指名を果たそうと思いやってきたが。やはり貧乏性とでも言うのか、居間でこうして3人でこうしてる時が一番落ち着くかな、ふとそんな事を思っていたら。
 「あら、御茶がないわ。」
 と祥瓊が立って行ってしまう。
 「お菓子も切れちゃった。」
 そう言って鈴も席を立つ。最初には、私も手伝うと言ったのだが。
 「陽子!!貴方は。一応王なのですから、座って待っていなさい!」
 そう二人に言われてからは、黙って待つことにしている。思わずつっこみたくなる展開で困った。
「はもりかよ!」
「一応かよ!」
 とか言いそうになって、慌てて言葉を飲み込んだ。彼女らにはボケとつっこみの概念は分からないだろうなあ。私の居た日本とこの十二国の世界は、それほどに違うのだ。漫才と言うものを理解させるにはどうしたらいいのだろうTVでもあればいいが、、。!あるじゃん!!
「水禺刀」  そうだ!これだ。水禺刀をビデオ代わりに使い、日本の文化を分かりやすく解説する。うん、それで行こう。日本の日常生活を見せるためには、とりあえず、ドラマがいいだろうな。そして、日本の生活常識が分かってきたら、漫才を見せる。よしこれでOK!しかし私は甘かった、、。やはりふがいのない王なんだ、、、。と一人考えてた。
 「陽子!早く続き〜〜。」
 「お菓子も御茶も揃ったわ。」
 二人とも戻り、私の両側に座って催促をする。
 「ああ じゃ!続き行くよ!」 
 そんな風に、明るく言う自分が今は嫌だ、、。そして「冬ソナ」にはまっている自分はやばいと思う。結局優等生で流行のドラマなんか勉強漬けで見てなかったから、、。
 しかし、国政に対しての話を3人でしたりするし、実害はあり得なかった。その時が来るまでは、、。

続く
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